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2011年4月 4日 (月)

復旧宣言

 わが福島明工社が製造販売している配線器具は、被災地の復旧・復興に必要なインフラの一部であるとの思いから、弊社の社会貢献は、震災後の注文にすべてお応えすることであると、社員に繰り返し伝えてきました。 

 おかげさまで弊社は、生産に関するすべての機械設備のチェックと調整・修理が終了しましたので、3月29日をもってお客様に対し、生産ラインが復旧した旨をお伝えすることができました。

 30日は、朝4時に東京を出発、8時前に須賀川に到着。昼休みの終わった後に全社員を食堂に集めて、災害見舞金を手渡しました。そのとき、話したのは、災害にあった人が陥る精神状態についてです。

 最初は茫然、次に異常にハイになり、やがてまわりに文句を言い出し、最後は自信をなくし疑心暗鬼に陥る。これが、心の動きであり、どんな人も程度の差こそあれ、起きることなので、他の人がもし口うるさくなったりしても、それは今、この状態に差し掛かったんだ、と見なして、くれぐれも「こんなときにその人間の本性が出る」なんて個人攻撃をするなと伝えました。

 災害見舞金は若手社員には強烈にウケたみたいでよかったです。融資の申し込みは年配の社員からさっそく一件、ありました。もう、なんと言えばいいのか……。

 会社では30代の社員の生き生き度が強烈に際だっていて、これはもしかすると、生まれてからいい思いをしてこなかった世代が、ともすれば戦争でも起きればいいのにとまで厭世的になっていたところに、本当の天変地異が来て、生き甲斐を感じ始めているからなのかもしれない、というようなことを考えています。弊社の仕事そのものが彼らの生きる糧になってくれていることが嬉しい反面、今後その場を続けていくことに対する責任の重さも感じています。

 被災地でご苦労されている(私たちももちろんそうなんですが)方々、亡くなった方も大勢いるのに、何を言っているのかと叱られそうですが、この時代、この場所でまだ生きている、ということは、生きて何かをしろ、と天の誰かに言われていることなのかもしれないとも思うのです。

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